EDHのデッキの作り方(初心者向け)
2019年11月18日 EDH コメント (2)先日、カードショップにいるときに3人でEDHをしようと思っていたら「喜べ!やったことねえ奴捕まえてきたからデッキ貸してやってくれ!」と顔なじみの店員に誘われた 被害者 プレイヤーと卓を囲んだ後、別れる前に「興味はあるけどデッキの組み方がわからん」と発言されていた。
また、最近、Twitter上で「EDHのデッキをお借りした上に、EDHのパーツを多数いただいた。面白かったし組んでみよう」と言って組んでみて、僕の目から見て明らかに構築方法が間違ってると感じた人と少し話をした。
私見であるが、EDHのデッキの組み方というのは人によってかなり違うことが多い。
他の構築フォーマットだと「とりあえずGoldfish見てパクるかー」とかでもまあ十分だが、EDHはいわゆる「ガチ」や「競技向け」と呼ばれる多量に比較された一部の統率者以外は、たとえデッキレシピを見ても、基本的に使用カードの差異があまりにも激しい場合が多く、そこから各デッキのコンセプトや構築理念を一部汲み取ることができても大半を読み取ることすら不可能に近いことが多い。
もしメジャーでない統率者に興味を持った場合はより顕著で、レシピを見ても、その統率者における簡単な目的やコンボを読み取ることが精々かもしれない。細かい個々のパーツを疑問に思ってもその答えは本人以外基本的にわからない場合も多く、勝ち手段の把握すらままならないかもしれない。
そのため、統率者戦のデッキをただコピーすることの意味が非常に薄いと考えている。
なんなら先ほど除外したその一部の統率者でさえ人によって構築概念が異なる場合も往々にしてあり、似たような構成なのに実は構築段階で目的が違うなんでこともザラだ。
これは構築ルールに由来する。通常の構築であれば60枚の中に特定のカードを4枚刺している点を注視することによって特定のカードがキーカードになることを予測する、またデッキのカードの役割がある程度同じ方向を向いていることや特定のカードを組み合わせるなど、何かしらのコンセプトを感じさせることによって、デッキリストが無言のメッセージとなり、デッキリストを見た人や実際に対峙した人に対しデッキの目的そのものを簡単に発信することが可能だ。
しかし、シングルトンルールを採用しているEDHの場合、単体単体で全く目的も役割も違うカードが刺さっている場合が多い。統率者がカラーマーカーでもない限り、カード選択が使用する統率者を意識したものになっているのはもちろんだが、構築者本人の意向や構築段階での目的を多量の1枚刺しで表現するため、デッキレシピを完全コピーしてもデッキレシピから製作者の意図を読み取るのは不可能に近い。徹底的に練り上げてAはBに勝ると判断したのか、特定の目的をもって偏らせた部分があるのか、はたまた相性いいカードをぶち込んだだけなのかは本人にしかわからない。
他の構築フォーマットでは、コピーしたデッキの意図を組み取ったうえで自分に合うようにアレンジするのは難しくないが、EDHの構築では、このフォーマットに慣れてでもいない限り意図を読み取ること自体不可能に近い。
つまるところ、多くの人間の手によって研鑽された統率者でもない場合は特にであるが、EDHのデッキを構築する場合、デッキチューナーだろうがパクリ魔だろうが全員がデッキビルダーのようにあくせくする必要があると言い切ってよい。
これらからEDH初心者にとってEDHの構築が難しい理由は
「通常の構築と違い、全部パクってアレンジは難しい」
「100枚のデッキ構築を自らの手で、それも慣れないシングルトンでやらないといけない」
「カードの取捨選択が不明瞭」
の3点に主に集約されると私は結論付けたい。
そのため、私なりに考えるEDHの構築の仕方の記事を例をあげながら実践的に書こうと思う。
また、他者様であるがEDHのデッキの作り方を書かれている人がいた。(https://edhmatsudo.diarynote.jp/201911162020234579/ さいとう氏の記事)
さいとう氏は記事内で
これは非常に重要な指摘である。私が今回執筆した内容は、当該記事の内容と比較した時、異なる部分が多く存在する。しかしこれはさいとう氏の考えるデッキの構築方法であり、私の構築方法と違っても全く構うことはない。
デッキ構築の仕方は一つではない。正しい組み方は存在せず、個々人に合った組み方のみが存在しているのである。
事実、さいとう氏は本文の前に
この部分には全面的に同意である。構築の組み方は個人によって当然差異がある。なので本記事の内容に関しても、参考にしていただけるところは参考にしていただき、切るべきところは切っていただければ幸いである。
0,EDHを体験する
最重要項目である。
ハッキリ言おう。MTGは安い買い物ではない。遊びの類としては非常にお金・手間・時間のかかる趣味である。
どんなに言い訳してもこの部分が消えることはない。MTGというゲームにおいて必要なカードの収集は手間もお金も非常にかかる。
また、友人の何人かは「2人対戦の読み合いが好きで、わちゃわちゃするの好きじゃない」とか「あんまり好きになれなかった」と発言していた。先日会った人は「これMTGのカードを使ったボードゲームみたいですね」と言っていた。
MTGが好きな人が全員EDHが好きになるわけではないのだ。興味を持ったけど「なんか違う」という人を見たことすらある。
なので、もしあなたが初心者でEDHをよく知らないというのであれば、友人にデッキを貸してくれないかと頼んでみたり、観戦させてもらったりするところから始めるべきだ。友人以外でも近くのコミュニティにお願いすれば、快くデッキを貸してくれる人もいるだろう。
もし投資したが、結果あまり楽しめず、購入したカードをすべてを売却することになれば、金銭という見えているリソースだけでなく、収集の手間や構築を考えた時間など、複数のリソースを大きく損することになる。
リソースはすべて有限である。自分に合っていないゲームのために何かを無駄にすることは意味のないことだ。
そのため、まず自分が楽しめるか、投資したいと思うかを判断することが大切だ。
この部分をスキップしてEDHを組んでみたいという人がいるのであれば、危険であるので思いとどまったほうがいい。とにかく1度でもいいから体験するのが大切である。
1,統率者を決定する
さて、無事EDHに興味を持ったのであれば、晴れてEDHのデッキ構築を始めるべきである。
EDHの世界へようこそ。
まず、あなたが決定するのは好きな統率者である。
決め方はなんでもいい。
「ストーリーで感動した」「このカード使ってて本当にお気に入り」「このカラーコンビネーションが大好き」「このタイプの能力ホントハマった」「この部族が好き」etcetc...
アーキタイプから決めるのもいいだろう。
「殴って倒したい」「大型クリーチャーを叩きつけたい」「ガチャガチャするコンボが大好き」etcetc...
決定理由はなんでもいいが、ちゃんと理由をもって決定することをオススメする。
エターナルフォーマットで長く遊ぶことは減価償却にもつながるので、あなたが石油王か金銭的余裕がある人でもない限り、組んだデッキをすぐ崩さないようにするような動機付けは意外と大切である。
以下、執筆時点でスタンダードリーガルであり、Brawl Deckに収録されている《巧妙な工作員、アリーラ/Alela, Artful Provocateur》を統率者として選択したと仮定し、各所で例を挿入したいと思う。
2,勉強する
え?と思われるかもしれない。デッキ組まないの?と。
しかし待ってほしい。組むにあたって、まずあなたに足りないものは知識である。
何度も書いた通り、EDHのデッキ構築は通常の構築とはまるで違う。通常の構築であれば優良カードを上から4枚ずつ詰め込んでもグッドスタッフと呼ばれるそれなりに強力なデッキが完成する。
しかしこのルールはシングルトンであり、統率者という専用のカードを用いてデッキを各々が組み上げるフォーマットである。
そんなルールなのに、あまりよく知らないからと適当にぽいぽい優良とされるカード上からを入れるだけなのであれば、統率者なんか究極的になんでもよく、非常に味気ないデッキが完成する。
また、この統率者だから生かせるというようなカードや、相性のいいカードは普通の構築では見向きもされないでカードショップの在庫の箱の隅っこに押し込められたカードという場合が非常に多い。そんな「ゴミ」と呼ばれかねないカードをよだれを垂らして探すのはEDHの構築の醍醐味だと考えている。この部分に賛同してくれる人は多いだろう。
別に汎用カードを入れることを否定するわけではない。よく使われるカードにはよく使われる理由が存在し、枠が許すのであれば使ったほうがいい。
しかし、統率者を生かせるカードが存在すれば、適当に強いとされるカードを入れるよりも、そちらのほうが面白く、より統率者を輝かせる。
そして、EDHのデッキは目的もなく上から強いカードや汎用カードを詰め込んだ束よりも、統率者を生かしたカードを用いることによって、普通のカードではなしえないことを成し遂げる。例えば《巧妙な工作員、アリーラ》であれば、どれだけ《渦まく知識》が優秀でも、どれだけ《思案》が強くても、《Ancestral Recall》にはなれない。
しかし、ストレージの片隅を温める《分かち合う発見》は《Ancestral Recall》になりえるのだ。
だが、それらのカードは普通に余ったカードケースを探しているだけでは見つけることは難しい。なんなら古のコモンですなんてことはザラにある。
その統率者ならよく使われているカードだけでなく、「誰も見向きもしないカードだけど、これ結構相性いいな」と思えるカードは世の中に探せばあるのに、知らないままだと採用することはできない。
そしてそれを自分一人ですべて発見することは難しい。思い付きも厳しい。何故なら知識がないからだ。
なら誰かの知識を頼るのは必然だ。誰も攻めることはないし、むしろ積極的に奨励されるべきだ。
構築してから何か月も経って相性いいカードを発掘し「知らなくて損した!」と思うのなんて日常茶飯事なのである。
日本のサイトならDiarynoteやTeamY’s、海外のサイトならGoldfishやEDHREC、Moxfieldなど、デッキレシピを探すところはいくらでもある。これら以外の個人のブログだって探せばいくらでも出てくる。
使いたい統率者を決定したら、いろんなデッキレシピや、紹介されているカードを見てみるのがよい。1デッキだけ見ても発見があるはずだ。
選んだ統率者の構築を見て、多くのデッキに採用されているカードはオススメということだなということは認知できるし、いろいろ見たうちの1デッキにしか入っていない知らないカードと出会えて興味をひかれることもある。
統率者戦のデッキ構築は他のフォーマットと全く同じ、勉強→実践→仮説検討→実践の繰り返しである。その統率者が気に入れば気に入るほど、幾度となく「統率者名 EDH」で検索することになると思う。
また、「思いついたけど実際回したら不必要だった」というミスマッチを防ぐためにも、事前にある程度勉強しておいた方がよいのである。特に高額カードが不要だったとなると泣けるに泣けない。
念のため注意点をあげるとしたら「記事の日付を見ること」である。古い記事には当然ながら執筆日以降のカードは記載されていない。それ以降に刷られた相性のいいカードを探す手間があるので、新しい日付の記事かどうかを気にすると捗ることが多い(もちろん古いから軽視していいという意味では全くない)。
また、ここではデッキを作ることのみを焦点に充てて勉強の内容を決定しているが、もしEDHのルールや禁止推奨カードリストに明るくないのであれば、必ず並行して覚える必要がある。
他のデッキの組み方等の記事ではこの部分は不文律となっていることが多いが、ルールや禁止推奨カードを知らなかったといって採用することが許されるわけでは当然ない。ゲームにおけるルールに関しては最低限を卓の人間に教えてもらうということでも構わないし、わからないルールについて質問するのも問題ないだろう。しかしそもそもとして禁止推奨カードや構築のルールについては誰かに擁護してもらうものではなく、デッキを組む段階で組む人間が気にする、それでいて守られていて当たり前のことである。事前に調べておくこと。
3,統率者と相性のいいカードを判断する
ここからは実際の構築に移ろうと思う。
まず、構築にあたって、実際に最初からカードを集めたり、紙の上に書きなぐるのは時間的にも金銭的にも非効率的であるので辞めたほうがいい。
なのでExcelやMagic Onlineなどの視認できるツールで構築を行うほうがよい。この2つはマナコストやカードの役割などを自由に並び替えつつ、見やすい形で構築を行うことができるのでオススメである。
また常に付きまとう問題として金銭面などで相性のいいカードがあっても諦めざるを得ないことがある。しかし、リソースの環境は人それぞれであるため決して攻めることはないし、攻められることでもない。妥協できるところは妥協し、妥協できないところだけ譲らなければいいのだ。
まず、統率者を分析する。これはこの統率者であればどのようなカードが有益かを判断するためである。
分析した内容から統率者のテキスト内容と確かに相性がいいと思うカード達をとりあえず入れてみるとよい。
もちろん分析した内容をすべて埋めるようにカードを入れる必要はない。しかし取捨選択なんかは後回しにしてよいので、とりあえずデッキリストに全部入れてみるの精神で構わない。
この時2で調べたレシピは資料として非常に意味があるものになる。積極的に参考にすること。
4,入れてみたいカードを入れる
上記の統率者を分析した結果浮かび上がってきたカードだけでなく、「レシピを見ていたらいろんなデッキに入ってるんだ」というカードや「使ってみたいと思ったわこれ」といったカードがたくさん出てきているであろう。
構想段階で何でもかんでも入れてみるだけならタダなので、投入してOKだ。
この時、なるべく3で出した分析の結果を参考にできると、カードの取捨選択の判断材料になる。活用すること。
5,汎用カードを入れる
あなたが見てきたレシピたちの中に、統率者と特別相性がいいわけでもないし、マナベース関連でもないのに「とりあえず入れとけ」という感じで入っているカード達があったはずだ。それらは汎用カードである・・・・・・
というのは簡単だが、汎用カードと一口に言っても、除去ドローサーチカウンターなど様々種類がある。しかし、すべてのデッキに入るわけではなく、デッキによっても取捨選択する必要があるのが他フォーマットと変わらない。
また、EDHの汎用カードと通常の構築フォーマットの汎用カードの考え方はまるで違う。調べれば理由も出てくるが、今回はデッキ構築法に主眼を置いているため割愛させてもらいたい。
ここでは少しだけ例を書き出すことにする。内容に疑問を思う人もいるかもしれないが、人によって汎用と思う枠が違うこともあるので、参考資料程度にしてほしい。
もっといろんなカードを知りたければ友人やGoogleなど、いくらでも詳しく答えを出せる所に質問してほしい。
そして、自分のデッキに合ってないものを切り捨てるべきだが、わからないならとりあえず使ってみるのもよいだろう。
また、逆に他のフォーマットであれば汎用カードなのに、使うべきでないカードというものも往々にして存在する。
例えばEDHをしたことのある人のうち、大半の人間が《思考囲い》を選択することはない。
思考囲いが強いカードであるのは誰かと1:1交換ができるからだ。しかし、このゲームでは相手が3人いるので、単純に相手の手札の枚数が3倍あるしトップデッキも3倍だ。また、大量ドローなどで無にされることも非常に多く、一番触りたいのが統率者なんてザラ。自分のデッキを薄めるだけになる。
誰かと1:1交換できるカードは、カウンターやインスタント除去のような刹那的に対応できるものや、後出しできるものに留めるのが無難である。
6,勝ち手段やコンボを探す
統率者戦のデッキを組むときに、私がお願いしていることの一つだ。
なぜ勝ち手段やコンボをデッキに入れるのか。それは勝ちたいとかそういうのもあるが、何より「ゲームが終わらないから」。
勝ち筋が全員脆弱な4人でやったことがあるが、1時間以上終わらず、疲れて心底嫌になった。
もしあなたの友人やコミュニティ全員が、ピザ食べながら1ゲーム2時間のゲームをすることを望む環境でもない限り、どこかでゲームを終わらせる手段を投入したほうがよいと考えている。
もちろん、殴って勝てる統率者ならそれを伸ばせばよい。
しかし、世の中全ての統率者が殴って勝てるわけではないので、その場合はコンボに頼ることになる。
ただし、コンボならなんでもいいわけではない。
このゲームには何百種類と数えられる即死コンボが存在する。わかりやすいのから複雑なのまで様々だ。
しかし、EDHでは統率者の固有色によって使えるコンボの種類や、探せるカードジャンルに大きく制限が発生する。コンボに統率者を組み込めるものもいれば不可能な統率者もおり、デッキにフィットするコンボしないコンボには大きな差が存在する。
そして当然、サーチ可能、必要なカード枚数が少ない、軽いカード群で達成できるものなどのわかりやすい理由を満たしているコンボがよいのは言うまでもない。また可能なら無駄牌になるカードが少なくなるのが好ましい。
そのため、統率者と相性がいいなどのそもそもデッキにフィットするコンボ、上述したわかりやすい理由群を満たしたコンボを探し、採用することが基本的には最適解となる。パーツの片方だけ統率者と相性がいいからと入れていたが、これと組み合わさると別方法で勝てるようにともう片方を入れるなどもアリだ。
逆に悪いコンボはこれらを満たしきらないコンボである。例えば純正青赤2色での《欠片の双子》コンボは、枚数こそ少ないがクリーチャーもエンチャントもサーチするのが難しく、かつ《欠片の双子》の相方は単体のカードパワーも高くないというオススメできないコンボである。
今回の《巧妙な工作員、アリーラ》の場合、白黒青と黒を含んでいるため、サーチはしやすいが、他の2色でサーチできないクリーチャーを用いたコンボはなるべく避けたほうが探しやすいだろう。
そして、統率者の能力との単純な組み合わせで決まるコンボは思いつかなかったため、簡単な2枚程度のコンボを搭載しようと考える。
《生き埋め》or《納埋》+《再活性》or《動く死体》で《穢れた血、ラザケシュ》を釣り、フェアリートークンを生贄にして好きなカードを持ってきて無茶苦茶してやろうとかどうだろう。
有名なコンボなどはたくさんあるため、各々で自分のデッキに合うか否かを取捨選択してもらうのが一番だろう。
また、コンボの取捨選択の考え方などは、私は上述した程度の知識しか持ち合わせていないため、より詳しい知識や知見を求めるのであれば、Googleに質問するのもよいかもしれない。
7,妨害の投入 及び考え方
今まで記述してきた部分において、汎用パーツの部分に少々妨害関連のカード名を連ねた以外、妨害について記述しておらず、構築者本位の内容のみであった。
しかし、EDHは4人で行うゲームであり、自分のことだけを考えていて他の人を気にしなかった結果、自分のやりたいことを通す前に終わるゲームしかないのであれば意味がないのである。そしてその対策は2人構築の時と同じで、妨害である(ほぼ妨害を入れない構築等もあるが今回は触れない)。
妨害カードは通常の構築と同じで、全体に影響を及ぼすものと1つの対象に影響を及ぼすものに分かれる。
前者の注意点はとしては全体に影響を及ぼすもので似たような効果のものを大量に入れてもしょうがないのでやらないようにしよう。例えばアーティファクトが憎いからとアーティファクトをすべて破壊するカードを8枚とか入れてもそればっかり引くだろう。
また、自分に影響を及ぼすカードは基本的には避けよう。よっぽど効果が強くて自分もわずかに被害を受けるが目を瞑るとか、構築段階で回避できるものに関しては検討の余地があるが、マナクリーチャーを大量に用いるのに《神の怒り》が入るなどは矛盾してるにもほどがある。
後者はプレイ段階で注意する必要がある。
例えば《剣を鍬に/Swords to Plowshares》は、基本的には自分と他の誰か1人のリソースを1つずつ削り、他の2人には影響を及ぼさないカードである。言い換えれば、誰かと自分のリソースは-1されるが、他の2人はリソースを失っていない。
これは全体に影響を及ぼすカードや、《虚無の呪文爆弾》のようなリソースを失わないカードの使用とは違い、結果見えないところで得をされているのである。
そのため、適当に打ったがためにゲームを破壊することも往々にあるし、適当に打ったがために他の2人がニヤニヤすることも多い。2人構築と比べて非常にタイミング等に左右されることが多くなる、大変難しいカード群になってしまっている。
もちろん正当なタイミングで使うのは正しいし、その判断がゲームを傾けるのを止めることもたくさんある。なので必要だがある程度慎重になるカード群なのである。
しかし、今度妨害を多く入れすぎると手札が妨害まみれになり、自分のやりたいことが全くできないということが往々にしてある。何事もやりすぎは危険なのだ。
そのため、慣れてないうちは統率者にもよるが、単体を対象にとる妨害カードに関しては「とりあえず有名なカードを5-7枚くらい入れようかな」程度にしておくことをオススメする。
全体に効果が及ぶカード群に関しては、こちらはより統率者に大きく影響を受けるので枚数に関して言及を避ける。まあロック系デッキでもないかぎり出しにくいカードや効果範囲の狭いカードを除いていけば使いたいカードは意外と多くないはずだ。
などが考えられる。
8,マナベースの構築
デッキに入れたいカードをドカンと詰め込んだところで、最後にマナベース構築になる。
慣れていないうちは、マナベースに関してはかなりゆったりと、多めに入れることを推奨する。
マナソースを多くしてしまうとその類しか引かない可能性をあげ、よりフラッドしやすくなるのが問題かと思われるかもしれないが、マナソースを引かないのは対戦相手が通常の3倍いる都合上、序盤のもたつきは通常の3倍許されないと思えばスクリューのほうが困りものなのだ。そしてマナベースの引きすぎ問題は構築で解消出来たり、統率者が許してくれる場合も少なくない。
なにより通常の構築では使われないような重たいカードを普通に入れる場合も少なくない構築フォーマットなので、スクリューしてるなと感じることは非常に多い。
そのため、マナスクリューする可能性を高めるよりも、最初からマナフラッドする構築にして他の採用カードでマナフラッドの解消を狙うのが好ましい。
またどの程度の量の採用がいいのかわからない場合、マナ系統の枚数は、土地+非土地のマナ加速で合計55枚ほどをとりあえず用意すればよい。もちろん自分のデッキに合ったマナソースの量はデッキの重さにもよって変わるので、重たいカードが結構多くあるなと感じたらより多く、軽く動けそうだからフラッドリスクが高いと思ったら少なめの値をとればよい。
・土地
適正な土地枚数は構築によって非常に左右されるので、最初は多めに入れるのがベターである。そのため、とりあえず構築段階では35枚程度から始める。
いろんなリスト見たけど30枚くらいしかないよ!と思っても構築段階であれば35枚程度あってもよい。
実際に構築してみて、デッキの構造上もう少し少ないほうがいいなと思ったら削ればいいし、プレイしていて土地こんないらねーなと思ったたけど意外とちょうどいいということもある。
・非土地
土地の枚数と同じで、多いと思ったら削ればよいので、最初は多めに入れておくことに越したことはない。
9,減らす。回す。
ここからが ほんとうの じごくだ・・・!
今まで検討してきたカード達を、100枚に収めるために切り捨てる必要がある。
というか、最初から100枚になるわけがない。普通にやってても200近くいくこともあるし、130から減らなくて頭を抱えることも多い。
しかし、ルールはルールなのだ。何を捨ててでもデッキは統率者込みで100枚にしなければならない。
とりあえずいろいろ絞って99+1枚になったら、プロキシでもなんでもいいので一人回しをしてみる。
どっかちぐはぐだったり、なんだこれと思うカードが必ずあるはずだ。それらを抜いて刺して微調整を、デッキがある限りずっと繰り返すことになる。
また、どのような意図でカードを抜くかの考えは人やデッキによって差異が大きく発生するので抜く基準等や考え方に関しては一切の言及を避けるが、抜いたカードの名前を別でメモをとっておくと捗るのでオススメしておく。
今採用してるカードを不採用にして抜いたときに代わりに入れるカードがないということを防げるし、実はこのカード有用だったのに名前が思い出せないなどの事故を防げる。
以前抜いたけど環境の変化や考え方の変遷でカードを戻すことも多い。気になるカード等と合わせてメモしておくとよい。
10,遊ぶ
近くのお店やコミュニティに行き、実際に遊んでみる。多分知らないカードにたくさん出会えるし、知らない動きをされてボコボコにされたり、自分のやりたいことができたりするはずだ。
また、知らないカードでも遠慮なく聞くのがよい。EDHおじさんたちは「このカードはねえ・・・」と説明するのが好きな人が89%(脳内調べ)なので、快く説明してくれる。
ボコボコにされて欠点に気づいたらまた差し替えてみたり、気づいたことがあったら入れ替えてみたりして、デッキの構築をよりよいものにしていくのが、デッキを組んだ人間の役目だ。
別の統率者に切り替える、ゲーム自体から離れるなどのない間、せっかく作ったデッキといる間は世話をしてあげてほしい。
以上が私なりのデッキの組み方である。
非常に長くなってしまったが、冒頭に書いたようにデッキ構築の仕方は一つではない。正しい組み方は存在せず、個々人に合った組み方のみが存在しているのである。
なので、いろいろ構築してみて「この海洋性哺乳類野郎の構築方法はクソだ!」となってもらっても構わないし、「意外と参考になったわ」と思ってもらえたらそれはそれで嬉しい。
どこかでEDHを組んだことない人にとって導入となったらこの記事に価値があったと思うし、フォーマットを面白いと思ってもらえて没入できる趣味の一つとなってくれれば、より幸いである。
また、最近、Twitter上で「EDHのデッキをお借りした上に、EDHのパーツを多数いただいた。面白かったし組んでみよう」と言って組んでみて、僕の目から見て明らかに構築方法が間違ってると感じた人と少し話をした。
私見であるが、EDHのデッキの組み方というのは人によってかなり違うことが多い。
他の構築フォーマットだと「とりあえずGoldfish見てパクるかー」とかでもまあ十分だが、EDHはいわゆる「ガチ」や「競技向け」と呼ばれる多量に比較された一部の統率者以外は、たとえデッキレシピを見ても、基本的に使用カードの差異があまりにも激しい場合が多く、そこから各デッキのコンセプトや構築理念を一部汲み取ることができても大半を読み取ることすら不可能に近いことが多い。
もしメジャーでない統率者に興味を持った場合はより顕著で、レシピを見ても、その統率者における簡単な目的やコンボを読み取ることが精々かもしれない。細かい個々のパーツを疑問に思ってもその答えは本人以外基本的にわからない場合も多く、勝ち手段の把握すらままならないかもしれない。
そのため、統率者戦のデッキをただコピーすることの意味が非常に薄いと考えている。
なんなら先ほど除外したその一部の統率者でさえ人によって構築概念が異なる場合も往々にしてあり、似たような構成なのに実は構築段階で目的が違うなんでこともザラだ。
これは構築ルールに由来する。通常の構築であれば60枚の中に特定のカードを4枚刺している点を注視することによって特定のカードがキーカードになることを予測する、またデッキのカードの役割がある程度同じ方向を向いていることや特定のカードを組み合わせるなど、何かしらのコンセプトを感じさせることによって、デッキリストが無言のメッセージとなり、デッキリストを見た人や実際に対峙した人に対しデッキの目的そのものを簡単に発信することが可能だ。
しかし、シングルトンルールを採用しているEDHの場合、単体単体で全く目的も役割も違うカードが刺さっている場合が多い。統率者がカラーマーカーでもない限り、カード選択が使用する統率者を意識したものになっているのはもちろんだが、構築者本人の意向や構築段階での目的を多量の1枚刺しで表現するため、デッキレシピを完全コピーしてもデッキレシピから製作者の意図を読み取るのは不可能に近い。徹底的に練り上げてAはBに勝ると判断したのか、特定の目的をもって偏らせた部分があるのか、はたまた相性いいカードをぶち込んだだけなのかは本人にしかわからない。
他の構築フォーマットでは、コピーしたデッキの意図を組み取ったうえで自分に合うようにアレンジするのは難しくないが、EDHの構築では、このフォーマットに慣れてでもいない限り意図を読み取ること自体不可能に近い。
つまるところ、多くの人間の手によって研鑽された統率者でもない場合は特にであるが、EDHのデッキを構築する場合、デッキチューナーだろうがパクリ魔だろうが全員がデッキビルダーのようにあくせくする必要があると言い切ってよい。
これらからEDH初心者にとってEDHの構築が難しい理由は
「通常の構築と違い、全部パクってアレンジは難しい」
「100枚のデッキ構築を自らの手で、それも慣れないシングルトンでやらないといけない」
「カードの取捨選択が不明瞭」
の3点に主に集約されると私は結論付けたい。
そのため、私なりに考えるEDHの構築の仕方の記事を例をあげながら実践的に書こうと思う。
また、他者様であるがEDHのデッキの作り方を書かれている人がいた。(https://edhmatsudo.diarynote.jp/201911162020234579/ さいとう氏の記事)
さいとう氏は記事内で
あくまでも個人的な組み方なので、異論ある人はぜひ記事書いてください。僕よりデッキ組むの上手い人は特に!初心者向けの記事は多い方が良いので…と記述している。
これは非常に重要な指摘である。私が今回執筆した内容は、当該記事の内容と比較した時、異なる部分が多く存在する。しかしこれはさいとう氏の考えるデッキの構築方法であり、私の構築方法と違っても全く構うことはない。
デッキ構築の仕方は一つではない。正しい組み方は存在せず、個々人に合った組み方のみが存在しているのである。
事実、さいとう氏は本文の前に
『異論反論あると思いますし、コミュニティの環境によっても変わると思うので参考程度にでもなれば…』とも執筆している。
この部分には全面的に同意である。構築の組み方は個人によって当然差異がある。なので本記事の内容に関しても、参考にしていただけるところは参考にしていただき、切るべきところは切っていただければ幸いである。
0,EDHを体験する
最重要項目である。
ハッキリ言おう。MTGは安い買い物ではない。遊びの類としては非常にお金・手間・時間のかかる趣味である。
どんなに言い訳してもこの部分が消えることはない。MTGというゲームにおいて必要なカードの収集は手間もお金も非常にかかる。
また、友人の何人かは「2人対戦の読み合いが好きで、わちゃわちゃするの好きじゃない」とか「あんまり好きになれなかった」と発言していた。先日会った人は「これMTGのカードを使ったボードゲームみたいですね」と言っていた。
MTGが好きな人が全員EDHが好きになるわけではないのだ。興味を持ったけど「なんか違う」という人を見たことすらある。
なので、もしあなたが初心者でEDHをよく知らないというのであれば、友人にデッキを貸してくれないかと頼んでみたり、観戦させてもらったりするところから始めるべきだ。友人以外でも近くのコミュニティにお願いすれば、快くデッキを貸してくれる人もいるだろう。
もし投資したが、結果あまり楽しめず、購入したカードをすべてを売却することになれば、金銭という見えているリソースだけでなく、収集の手間や構築を考えた時間など、複数のリソースを大きく損することになる。
リソースはすべて有限である。自分に合っていないゲームのために何かを無駄にすることは意味のないことだ。
そのため、まず自分が楽しめるか、投資したいと思うかを判断することが大切だ。
この部分をスキップしてEDHを組んでみたいという人がいるのであれば、危険であるので思いとどまったほうがいい。とにかく1度でもいいから体験するのが大切である。
1,統率者を決定する
さて、無事EDHに興味を持ったのであれば、晴れてEDHのデッキ構築を始めるべきである。
EDHの世界へようこそ。
まず、あなたが決定するのは好きな統率者である。
決め方はなんでもいい。
「ストーリーで感動した」「このカード使ってて本当にお気に入り」「このカラーコンビネーションが大好き」「このタイプの能力ホントハマった」「この部族が好き」etcetc...
アーキタイプから決めるのもいいだろう。
「殴って倒したい」「大型クリーチャーを叩きつけたい」「ガチャガチャするコンボが大好き」etcetc...
決定理由はなんでもいいが、ちゃんと理由をもって決定することをオススメする。
エターナルフォーマットで長く遊ぶことは減価償却にもつながるので、あなたが石油王か金銭的余裕がある人でもない限り、組んだデッキをすぐ崩さないようにするような動機付けは意外と大切である。
以下、執筆時点でスタンダードリーガルであり、Brawl Deckに収録されている《巧妙な工作員、アリーラ/Alela, Artful Provocateur》を統率者として選択したと仮定し、各所で例を挿入したいと思う。
2,勉強する
え?と思われるかもしれない。デッキ組まないの?と。
しかし待ってほしい。組むにあたって、まずあなたに足りないものは知識である。
何度も書いた通り、EDHのデッキ構築は通常の構築とはまるで違う。通常の構築であれば優良カードを上から4枚ずつ詰め込んでもグッドスタッフと呼ばれるそれなりに強力なデッキが完成する。
しかしこのルールはシングルトンであり、統率者という専用のカードを用いてデッキを各々が組み上げるフォーマットである。
そんなルールなのに、あまりよく知らないからと適当にぽいぽい優良とされるカード上からを入れるだけなのであれば、統率者なんか究極的になんでもよく、非常に味気ないデッキが完成する。
また、この統率者だから生かせるというようなカードや、相性のいいカードは普通の構築では見向きもされないでカードショップの在庫の箱の隅っこに押し込められたカードという場合が非常に多い。そんな「ゴミ」と呼ばれかねないカードをよだれを垂らして探すのはEDHの構築の醍醐味だと考えている。この部分に賛同してくれる人は多いだろう。
別に汎用カードを入れることを否定するわけではない。よく使われるカードにはよく使われる理由が存在し、枠が許すのであれば使ったほうがいい。
しかし、統率者を生かせるカードが存在すれば、適当に強いとされるカードを入れるよりも、そちらのほうが面白く、より統率者を輝かせる。
そして、EDHのデッキは目的もなく上から強いカードや汎用カードを詰め込んだ束よりも、統率者を生かしたカードを用いることによって、普通のカードではなしえないことを成し遂げる。例えば《巧妙な工作員、アリーラ》であれば、どれだけ《渦まく知識》が優秀でも、どれだけ《思案》が強くても、《Ancestral Recall》にはなれない。
しかし、ストレージの片隅を温める《分かち合う発見》は《Ancestral Recall》になりえるのだ。
だが、それらのカードは普通に余ったカードケースを探しているだけでは見つけることは難しい。なんなら古のコモンですなんてことはザラにある。
その統率者ならよく使われているカードだけでなく、「誰も見向きもしないカードだけど、これ結構相性いいな」と思えるカードは世の中に探せばあるのに、知らないままだと採用することはできない。
そしてそれを自分一人ですべて発見することは難しい。思い付きも厳しい。何故なら知識がないからだ。
なら誰かの知識を頼るのは必然だ。誰も攻めることはないし、むしろ積極的に奨励されるべきだ。
構築してから何か月も経って相性いいカードを発掘し「知らなくて損した!」と思うのなんて日常茶飯事なのである。
日本のサイトならDiarynoteやTeamY’s、海外のサイトならGoldfishやEDHREC、Moxfieldなど、デッキレシピを探すところはいくらでもある。これら以外の個人のブログだって探せばいくらでも出てくる。
使いたい統率者を決定したら、いろんなデッキレシピや、紹介されているカードを見てみるのがよい。1デッキだけ見ても発見があるはずだ。
選んだ統率者の構築を見て、多くのデッキに採用されているカードはオススメということだなということは認知できるし、いろいろ見たうちの1デッキにしか入っていない知らないカードと出会えて興味をひかれることもある。
統率者戦のデッキ構築は他のフォーマットと全く同じ、勉強→実践→仮説検討→実践の繰り返しである。その統率者が気に入れば気に入るほど、幾度となく「統率者名 EDH」で検索することになると思う。
また、「思いついたけど実際回したら不必要だった」というミスマッチを防ぐためにも、事前にある程度勉強しておいた方がよいのである。特に高額カードが不要だったとなると泣けるに泣けない。
念のため注意点をあげるとしたら「記事の日付を見ること」である。古い記事には当然ながら執筆日以降のカードは記載されていない。それ以降に刷られた相性のいいカードを探す手間があるので、新しい日付の記事かどうかを気にすると捗ることが多い(もちろん古いから軽視していいという意味では全くない)。
また、ここではデッキを作ることのみを焦点に充てて勉強の内容を決定しているが、もしEDHのルールや禁止推奨カードリストに明るくないのであれば、必ず並行して覚える必要がある。
他のデッキの組み方等の記事ではこの部分は不文律となっていることが多いが、ルールや禁止推奨カードを知らなかったといって採用することが許されるわけでは当然ない。ゲームにおけるルールに関しては最低限を卓の人間に教えてもらうということでも構わないし、わからないルールについて質問するのも問題ないだろう。しかしそもそもとして禁止推奨カードや構築のルールについては誰かに擁護してもらうものではなく、デッキを組む段階で組む人間が気にする、それでいて守られていて当たり前のことである。事前に調べておくこと。
3,統率者と相性のいいカードを判断する
ここからは実際の構築に移ろうと思う。
まず、構築にあたって、実際に最初からカードを集めたり、紙の上に書きなぐるのは時間的にも金銭的にも非効率的であるので辞めたほうがいい。
なのでExcelやMagic Onlineなどの視認できるツールで構築を行うほうがよい。この2つはマナコストやカードの役割などを自由に並び替えつつ、見やすい形で構築を行うことができるのでオススメである。
また常に付きまとう問題として金銭面などで相性のいいカードがあっても諦めざるを得ないことがある。しかし、リソースの環境は人それぞれであるため決して攻めることはないし、攻められることでもない。妥協できるところは妥協し、妥協できないところだけ譲らなければいいのだ。
まず、統率者を分析する。これはこの統率者であればどのようなカードが有益かを判断するためである。
《巧妙な工作員、アリーラ》の場合
・絆魂 -回復による誘発を行える。
・飛行 接死 -回避能力によって攻撃を通しやすい。
・飛行クリーチャーへの修正 -攻撃のプレッシャーをかけられる。ただしみんなライフ40なので小さい修正の重要度は低い
・アーティファクトかエンチャントを唱えるたび -構築段階で多数のアーティファクトやエンチャントを求められる。当然軽いものが多いほうが誘発が増えてよい。
・飛行を持つ青の1/1フェアリートークンの生成 -トークンの複数体の生成を行える。回避能力や数が並ぶこと、1/1というサイズ、部族が相性いいカードのヒントである。
・本体が小さい -統率者ダメージでは勝てない
分析した内容から統率者のテキスト内容と確かに相性がいいと思うカード達をとりあえず入れてみるとよい。
もちろん分析した内容をすべて埋めるようにカードを入れる必要はない。しかし取捨選択なんかは後回しにしてよいので、とりあえずデッキリストに全部入れてみるの精神で構わない。
この時2で調べたレシピは資料として非常に意味があるものになる。積極的に参考にすること。
例:《巧妙な工作員、アリーラ》の場合
・回復による誘発 -《失われし夢の井戸》《希望の夜明け》など
・回避能力 -《伝説たちの秘本》など
・軽いアーティファクトやエンチャント -《師範の占い独楽》《ケイヤ式幽体化》など
・回避能力持ちトークン複数 -《タッサの二叉槍》《沿岸の海賊行為》など
・トークンである -《選定された行進》《無形の美徳》など
・飛行トークン -《重力の変容》《順風》など
・フェアリー -《ウーナの末裔》《旗印》など
・1/1 -《頭蓋骨絞め》
4,入れてみたいカードを入れる
上記の統率者を分析した結果浮かび上がってきたカードだけでなく、「レシピを見ていたらいろんなデッキに入ってるんだ」というカードや「使ってみたいと思ったわこれ」といったカードがたくさん出てきているであろう。
構想段階で何でもかんでも入れてみるだけならタダなので、投入してOKだ。
この時、なるべく3で出した分析の結果を参考にできると、カードの取捨選択の判断材料になる。活用すること。
5,汎用カードを入れる
あなたが見てきたレシピたちの中に、統率者と特別相性がいいわけでもないし、マナベース関連でもないのに「とりあえず入れとけ」という感じで入っているカード達があったはずだ。それらは汎用カードである・・・・・・
というのは簡単だが、汎用カードと一口に言っても、除去ドローサーチカウンターなど様々種類がある。しかし、すべてのデッキに入るわけではなく、デッキによっても取捨選択する必要があるのが他フォーマットと変わらない。
また、EDHの汎用カードと通常の構築フォーマットの汎用カードの考え方はまるで違う。調べれば理由も出てくるが、今回はデッキ構築法に主眼を置いているため割愛させてもらいたい。
ここでは少しだけ例を書き出すことにする。内容に疑問を思う人もいるかもしれないが、人によって汎用と思う枠が違うこともあるので、参考資料程度にしてほしい。
もっといろんなカードを知りたければ友人やGoogleなど、いくらでも詳しく答えを出せる所に質問してほしい。
そして、自分のデッキに合ってないものを切り捨てるべきだが、わからないならとりあえず使ってみるのもよいだろう。
また、逆に他のフォーマットであれば汎用カードなのに、使うべきでないカードというものも往々にして存在する。
例えばEDHをしたことのある人のうち、大半の人間が《思考囲い》を選択することはない。
思考囲いが強いカードであるのは誰かと1:1交換ができるからだ。しかし、このゲームでは相手が3人いるので、単純に相手の手札の枚数が3倍あるしトップデッキも3倍だ。また、大量ドローなどで無にされることも非常に多く、一番触りたいのが統率者なんてザラ。自分のデッキを薄めるだけになる。
誰かと1:1交換できるカードは、カウンターやインスタント除去のような刹那的に対応できるものや、後出しできるものに留めるのが無難である。
白
除去
《剣を鍬に》《流刑への道》《神の怒り》《過大な贈り物》《沈黙のオーラ》《解呪》《忘却の輪》など
サーチ/ドロー
《土地税》《悟りの教示者》《弱者の師》など
妨害
《盲従》《堂々たる撤廃者》《スレイベンの守護者、サリア》など
フィニッシャー
《太陽のタイタン》《太陽の勇者、エルズペス》など
その他
《息詰まる徴税/Smothering Tithe》など
青
除去
《サイクロンの裂け目》《月への封印》《急速混成》など
サーチ/ドロー
《思案》《宝船の巡航》《神秘の教示者》など
カウンター
《秘儀の否定》《白鳥の歌》など
フィニッシャー
《聖別されたスフィンクス》など
その他
《ファイレクシアの変形者》など
黒
除去
《殺し/Snuff Out》《四肢切断》《滅び》など
サーチ/ドロー
《悪魔の教示者》《吸血の教示者》《ファイレクシアの闘技場》など
リアニメイト
《再活性》《動く死体》《犠牲》など
フィニッシャー
《アスフォデルの灰色商人》など
その他
《暗黒の儀式》など
赤
除去
《混沌のねじれ》《冒涜の行動》《汚損破》など
サーチ/ドロー
《信仰無き物あさり》《ギャンブル》《Wheel of Fortune》など
妨害
《血染めの月》《紅蓮光電の柱》など
フィニッシャー
《原初の嵐、エターリ》《業火のタイタン》など
その他
《ゴブリンの溶接工》《波止場の恐喝者》など
緑
除去
《内にいる獣》《再利用の賢者》など
サーチ/ドロー
《森の知恵》《調和》《緑の太陽の頂点》など
フィニッシャー
《孔蹄のビヒモス》《起源の波》など
妨害
《溜め込み屋のアウフ》など
その他
《永遠の証人》など
多色
除去
《暗殺者の戦利品》《王冠泥棒、オーコ》など
サーチ/ドロー
《リム=ドゥールの櫃》《戦争門》など
妨害
《特権階級》《オーラの破片》など
フィニッシャー
《黄金夜の刃、ギセラ》《破壊的な逸脱者/Consuming Aberration》など
その他
《ミラーリの目覚め》など
無色
除去
《ネビニラルの円盤》《精霊龍、ウギン》など
サーチ/ドロー
《頭蓋骨絞め》《師範の占い独楽》など
妨害
《無のロッド》《呪われたトーテム像》など
フィニッシャー
《鋼のヘルカイト》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》など
その他
《世界のるつぼ》《稲妻のすね当て》など
6,勝ち手段やコンボを探す
統率者戦のデッキを組むときに、私がお願いしていることの一つだ。
なぜ勝ち手段やコンボをデッキに入れるのか。それは勝ちたいとかそういうのもあるが、何より「ゲームが終わらないから」。
勝ち筋が全員脆弱な4人でやったことがあるが、1時間以上終わらず、疲れて心底嫌になった。
もしあなたの友人やコミュニティ全員が、ピザ食べながら1ゲーム2時間のゲームをすることを望む環境でもない限り、どこかでゲームを終わらせる手段を投入したほうがよいと考えている。
もちろん、殴って勝てる統率者ならそれを伸ばせばよい。
しかし、世の中全ての統率者が殴って勝てるわけではないので、その場合はコンボに頼ることになる。
ただし、コンボならなんでもいいわけではない。
このゲームには何百種類と数えられる即死コンボが存在する。わかりやすいのから複雑なのまで様々だ。
しかし、EDHでは統率者の固有色によって使えるコンボの種類や、探せるカードジャンルに大きく制限が発生する。コンボに統率者を組み込めるものもいれば不可能な統率者もおり、デッキにフィットするコンボしないコンボには大きな差が存在する。
そして当然、サーチ可能、必要なカード枚数が少ない、軽いカード群で達成できるものなどのわかりやすい理由を満たしているコンボがよいのは言うまでもない。また可能なら無駄牌になるカードが少なくなるのが好ましい。
そのため、統率者と相性がいいなどのそもそもデッキにフィットするコンボ、上述したわかりやすい理由群を満たしたコンボを探し、採用することが基本的には最適解となる。パーツの片方だけ統率者と相性がいいからと入れていたが、これと組み合わさると別方法で勝てるようにともう片方を入れるなどもアリだ。
逆に悪いコンボはこれらを満たしきらないコンボである。例えば純正青赤2色での《欠片の双子》コンボは、枚数こそ少ないがクリーチャーもエンチャントもサーチするのが難しく、かつ《欠片の双子》の相方は単体のカードパワーも高くないというオススメできないコンボである。
今回の《巧妙な工作員、アリーラ》の場合、白黒青と黒を含んでいるため、サーチはしやすいが、他の2色でサーチできないクリーチャーを用いたコンボはなるべく避けたほうが探しやすいだろう。
そして、統率者の能力との単純な組み合わせで決まるコンボは思いつかなかったため、簡単な2枚程度のコンボを搭載しようと考える。
《生き埋め》or《納埋》+《再活性》or《動く死体》で《穢れた血、ラザケシュ》を釣り、フェアリートークンを生贄にして好きなカードを持ってきて無茶苦茶してやろうとかどうだろう。
有名なコンボなどはたくさんあるため、各々で自分のデッキに合うか否かを取捨選択してもらうのが一番だろう。
また、コンボの取捨選択の考え方などは、私は上述した程度の知識しか持ち合わせていないため、より詳しい知識や知見を求めるのであれば、Googleに質問するのもよいかもしれない。
7,妨害の投入 及び考え方
今まで記述してきた部分において、汎用パーツの部分に少々妨害関連のカード名を連ねた以外、妨害について記述しておらず、構築者本位の内容のみであった。
しかし、EDHは4人で行うゲームであり、自分のことだけを考えていて他の人を気にしなかった結果、自分のやりたいことを通す前に終わるゲームしかないのであれば意味がないのである。そしてその対策は2人構築の時と同じで、妨害である(ほぼ妨害を入れない構築等もあるが今回は触れない)。
妨害カードは通常の構築と同じで、全体に影響を及ぼすものと1つの対象に影響を及ぼすものに分かれる。
前者の注意点はとしては全体に影響を及ぼすもので似たような効果のものを大量に入れてもしょうがないのでやらないようにしよう。例えばアーティファクトが憎いからとアーティファクトをすべて破壊するカードを8枚とか入れてもそればっかり引くだろう。
また、自分に影響を及ぼすカードは基本的には避けよう。よっぽど効果が強くて自分もわずかに被害を受けるが目を瞑るとか、構築段階で回避できるものに関しては検討の余地があるが、マナクリーチャーを大量に用いるのに《神の怒り》が入るなどは矛盾してるにもほどがある。
後者はプレイ段階で注意する必要がある。
例えば《剣を鍬に/Swords to Plowshares》は、基本的には自分と他の誰か1人のリソースを1つずつ削り、他の2人には影響を及ぼさないカードである。言い換えれば、誰かと自分のリソースは-1されるが、他の2人はリソースを失っていない。
これは全体に影響を及ぼすカードや、《虚無の呪文爆弾》のようなリソースを失わないカードの使用とは違い、結果見えないところで得をされているのである。
そのため、適当に打ったがためにゲームを破壊することも往々にあるし、適当に打ったがために他の2人がニヤニヤすることも多い。2人構築と比べて非常にタイミング等に左右されることが多くなる、大変難しいカード群になってしまっている。
もちろん正当なタイミングで使うのは正しいし、その判断がゲームを傾けるのを止めることもたくさんある。なので必要だがある程度慎重になるカード群なのである。
しかし、今度妨害を多く入れすぎると手札が妨害まみれになり、自分のやりたいことが全くできないということが往々にしてある。何事もやりすぎは危険なのだ。
そのため、慣れてないうちは統率者にもよるが、単体を対象にとる妨害カードに関しては「とりあえず有名なカードを5-7枚くらい入れようかな」程度にしておくことをオススメする。
全体に効果が及ぶカード群に関しては、こちらはより統率者に大きく影響を受けるので枚数に関して言及を避ける。まあロック系デッキでもないかぎり出しにくいカードや効果範囲の狭いカードを除いていけば使いたいカードは意外と多くないはずだ。
《巧妙な工作員、アリーラ》の場合
・緑を含まないのでマナソースとしてアーティファクトを採用することになる。なので、《無のロッド》の類はすべて不採用にせざるを得ない。
・クリーチャーが構築をした結果非常に少なかった。なので《呪われたトーテム像》を積極的に検討するべきだし、もしかしたら《倦怠の宝珠》なども入るかもしれない。
・《毒の濁流》のような全体除去は、クリーチャートークンを生み出すデッキでは厳しいだろう。
などが考えられる。
8,マナベースの構築
デッキに入れたいカードをドカンと詰め込んだところで、最後にマナベース構築になる。
慣れていないうちは、マナベースに関してはかなりゆったりと、多めに入れることを推奨する。
マナソースを多くしてしまうとその類しか引かない可能性をあげ、よりフラッドしやすくなるのが問題かと思われるかもしれないが、マナソースを引かないのは対戦相手が通常の3倍いる都合上、序盤のもたつきは通常の3倍許されないと思えばスクリューのほうが困りものなのだ。そしてマナベースの引きすぎ問題は構築で解消出来たり、統率者が許してくれる場合も少なくない。
なにより通常の構築では使われないような重たいカードを普通に入れる場合も少なくない構築フォーマットなので、スクリューしてるなと感じることは非常に多い。
そのため、マナスクリューする可能性を高めるよりも、最初からマナフラッドする構築にして他の採用カードでマナフラッドの解消を狙うのが好ましい。
またどの程度の量の採用がいいのかわからない場合、マナ系統の枚数は、土地+非土地のマナ加速で合計55枚ほどをとりあえず用意すればよい。もちろん自分のデッキに合ったマナソースの量はデッキの重さにもよって変わるので、重たいカードが結構多くあるなと感じたらより多く、軽く動けそうだからフラッドリスクが高いと思ったら少なめの値をとればよい。
・土地
適正な土地枚数は構築によって非常に左右されるので、最初は多めに入れるのがベターである。そのため、とりあえず構築段階では35枚程度から始める。
いろんなリスト見たけど30枚くらいしかないよ!と思っても構築段階であれば35枚程度あってもよい。
実際に構築してみて、デッキの構造上もう少し少ないほうがいいなと思ったら削ればいいし、プレイしていて土地こんないらねーなと思ったたけど意外とちょうどいいということもある。
-単色の場合
何も考えずに基本土地を入れる。その後デッキに合っている土地やユーティリティーな無色土地を入れる。ただし、基本土地を削りすぎて肝心の色マナが出にくくなると首を絞めるので注意すること。
-多色の場合
緑を含む場合、緑がマナベースを支えるので、緑色に土地を寄せるのが基本となる。3色以上の場合、薄い色があればそこを薄くするなど通常の構築と変わらない部分が大半だが、緑を含む含まず関係なく、デッキ枚数が多すぎるせいで色バランスがグチャグチャになっていることが非常に多く最適な配分の検討は難しい。そのためとりあえず色のあっている土地を容赦なくブチ込みまくることになりやすい。(もちろん色バランスを修正できるならしたほうがいい)
この時、「デッキに合っていない限りタップインの可能性のある土地を採用することは避けるのが無難」ということを知ってもらいたい。理由はテンポが悪いとかそういうのも鑑みて「フラストレーションがたまるから」が10割である。『M10ランド』すら2色でもしょっちゅうタップインする。
2色土地では『デュアル』『ペイン』『ショック』『フィルター』『ハイブリット』『未来』『キャノピー』『バトルボンド』『汚れた』『フェッチ』(フェッチを使用しており、3色以下なら『バトル』)などの各種アンタップイン土地
5色土地の《真鍮の都》《マナの合流点》《反射池》《風変わりな果樹園》《色あせた城塞》《統率の塔》などを用いるのがよい。
もし資産の問題でタップインの可能性のある土地を採用せざるを得ない場合でも、他でマナベースが整っているならいっそ基本土地のほうがよいこともある。それくらいタップインは気を付ける。
・非土地
土地の枚数と同じで、多いと思ったら削ればよいので、最初は多めに入れておくことに越したことはない。
・インチキカード
具体的には《太陽の指輪》と《魔力の墓所》。前者は何かしらの理由がない限りまず投入する。後者は持ってないならお財布と相談。
・緑のマナベース
緑色だけはマナ加速としてクリーチャー・エンチャント・《不屈の自然》の類を使用することが認められている。
採用基準がわからなければ、とりあえず1マナのマナクリーチャー、《繁茂》《楽園の拡散》は捻出先の色に問題がない限りとりあえずすべて採用していい。(《アヴァシンの巡礼者》や《深き闇のエルフ》などはルールに注意。)
2マナ以降は《花を手入れする者》《ティタニアの僧侶》のような強力なマナクリーチャーはデッキにフィットしそうだと思ったら使いやすいし、そうじゃないデッキでも《遥か見》や《自然の知識》、《桜族の長老》など、多色でも使いやすいマナ加速が目白押しである。悩んだら2マナ以下の「弱くなさそう」と思ったものを適当に端から入れてみよう。ただしデッキの土地基盤次第ではサーチ先がすぐ枯れるので、土地加速の場合は多色デッキにおいては注意すること。
2マナ以下のマナ加速が非常に充実していることや、3マナ以上のマナ加速はマナ加速のカード自体が少し重たいため、3マナ以上のカードを検討する場合は、まずデッキに合っているか否かを思案するとよい。
例えば《耕作》と《はびこり》と《フェイ庄の古老》は、どれも効果も強力なので一見どんなデッキにも入りそうに見えるが、この3つは入れたいデッキはまるで違う。
《耕作》は癖が少ないが土地アンタップ手段が多かったり土地以外の加速を多く使用しているなら魅力的でなく、《はびこり》は土地アンタップ手段が多くないとと魅力的にうつらない。《フェイ庄の古老》は多色デッキならエースだが白緑2色だけのデッキなら代わりはいくらでもあるだろう。
・非緑のマナベース
基本的にアーティファクトに依存することになる。主に2種類に分けられる。
もちろん、緑のデッキも使うことが多いカード達となる。緑だから緑のマナベースで完結する必要は当然ない。
-安定した加速
《友なる石》や《虹色のレンズ》、印鑑やタリスマンなどのカード群が該当する。
マナクリーチャーも存在するが、各種マナマイアや、《錯乱した助手》など緑と比べて一歩劣る。
それでもアドバンテージを失ったり、条件が付いてたりなどが特にない、安定した加速群である。
3マナ以上のものでも普通に検討する。ただし、《マナリス》のようなリミテッドカードを入れてもしょっぱいだけなので、《スランの発電機/Thran Dynamo》や《金粉の水蓮/Gilded Lotus》などの強力なものを検討するべし。
-特殊な加速
《Jeweled Amulet》《水蓮の花びら》《魔力の櫃》各種MOXといろいろあるが、基本的に条件が付いていたり、リソースを要求したり、一度使ったら何かしないと起きなかったりする。ピーキーなカード群である。統率者と相性がいい、統率者が重たい、統率者を早く出すことに意味があるなど、様々な角度で検討し、取捨選択するのがよい。
・その他のマナ加速
赤や黒の儀式など、一時的なマナソースが該当する。
正直、マナソースの総数にカウントすると事故りやすいので、別でカウントしたほうがいい。
9,減らす。回す。
ここからが ほんとうの じごくだ・・・!
今まで検討してきたカード達を、100枚に収めるために切り捨てる必要がある。
というか、最初から100枚になるわけがない。普通にやってても200近くいくこともあるし、130から減らなくて頭を抱えることも多い。
しかし、ルールはルールなのだ。何を捨ててでもデッキは統率者込みで100枚にしなければならない。
とりあえずいろいろ絞って99+1枚になったら、プロキシでもなんでもいいので一人回しをしてみる。
どっかちぐはぐだったり、なんだこれと思うカードが必ずあるはずだ。それらを抜いて刺して微調整を、デッキがある限りずっと繰り返すことになる。
また、どのような意図でカードを抜くかの考えは人やデッキによって差異が大きく発生するので抜く基準等や考え方に関しては一切の言及を避けるが、抜いたカードの名前を別でメモをとっておくと捗るのでオススメしておく。
今採用してるカードを不採用にして抜いたときに代わりに入れるカードがないということを防げるし、実はこのカード有用だったのに名前が思い出せないなどの事故を防げる。
以前抜いたけど環境の変化や考え方の変遷でカードを戻すことも多い。気になるカード等と合わせてメモしておくとよい。
10,遊ぶ
近くのお店やコミュニティに行き、実際に遊んでみる。多分知らないカードにたくさん出会えるし、知らない動きをされてボコボコにされたり、自分のやりたいことができたりするはずだ。
また、知らないカードでも遠慮なく聞くのがよい。EDHおじさんたちは「このカードはねえ・・・」と説明するのが好きな人が89%(脳内調べ)なので、快く説明してくれる。
ボコボコにされて欠点に気づいたらまた差し替えてみたり、気づいたことがあったら入れ替えてみたりして、デッキの構築をよりよいものにしていくのが、デッキを組んだ人間の役目だ。
別の統率者に切り替える、ゲーム自体から離れるなどのない間、せっかく作ったデッキといる間は世話をしてあげてほしい。
以上が私なりのデッキの組み方である。
非常に長くなってしまったが、冒頭に書いたようにデッキ構築の仕方は一つではない。正しい組み方は存在せず、個々人に合った組み方のみが存在しているのである。
なので、いろいろ構築してみて「この海洋性哺乳類野郎の構築方法はクソだ!」となってもらっても構わないし、「意外と参考になったわ」と思ってもらえたらそれはそれで嬉しい。
どこかでEDHを組んだことない人にとって導入となったらこの記事に価値があったと思うし、フォーマットを面白いと思ってもらえて没入できる趣味の一つとなってくれれば、より幸いである。
コメント
現実的でわかりやすいものとしては、例えば誰かの組み方を落とし込んだスプレッドシートの配布や、フローチャートなどの用意だと思っています。
ただこれだと、シート1枚ダウンロードして残りの文句を読まないのであれば、なぜEDHではこうなのかがわからなくて意味ないんですよね。道具やフローチャートではこの欠点の解消は不可能です。
結局遠回りなようで近道なのは、ちょっとでもいいから知識を確保することだと思います。頑張れ初心者