6月11日 使用禁止
2020年6月11日 TCG全般https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/depictions-racism-magic-2020-06-10
To that end, we will be removing a number of images from our database that are racist or culturally offensive, including:
Invoke Prejudice
Cleanse
Stone-Throwing Devils
Pradesh Gypsies
Jihad
Imprison
Crusade
あまり差別意識を感じない国に住んでいることもあるし、文化の違いの存在も大きいだろうけど、最初見た時に思ったのは「しょうもない」。
正直、この禁止措置は別にWotCが悪いとか、そういうことを言うつもりはまったくない。WotCはどちらかというと致し方なく25年以上前に刷られたカードが槍玉に挙がったから頭ぺこぺこして禁止したに過ぎない。
じゃあ何がしょうもないって思ったかって、今回の禁止は所謂ポリコレだって点。
ハッキリ言って、ポリコレ大嫌い。(もちろん差別とか、他文化を否定するとか、そういうのに賛成なわけではない)
ここ何十年かで、何かを表現するとき、ポリティカルコレクトネスはどちらかというと壁とか障害になりつつある。
個人的な考えだけど、意図が介在する限り万人を満足させる表現なんて存在しない。うっかり何かが紛れてしまうかもしれない。その中でも、何かを表現するなら多くの人が不快に思わないように言葉を絞る。表現する。それでも本当に不当だったら謝る。当然元からよくない表現なら使うべきではない。
ただ、行き過ぎるならそれは言論統制や表現規制でしかないし、事実それを理由に言葉をいくつも世の中から消した。表現を禁止した。叩いて、殴られた。
本来は社会的弱者やマイノリティを守るための枠組みが、現代では文化や表現の破壊行為の道具になっている。
今回の場合、世界的潮流になっている人種差別偏見に関連する動きを理由に、過去に出たいろいろなものを、ポリコレという凶器でぶっ叩いているように見えてならない。
この二週間で、映画は消え、カードが消えた。銅像は落とされたし、20年前にやった芸を謝罪させられた人も出た。
どれもこれもここ最近の表現ではなく、当時許されていた表現を現代のポリコレ枠に当てはめてぶっ叩いた例でしかない。そして、消された文化は記録として残り、日に再びあたることはきっとない。
そして、過去の文化を痛めつける行為は今に始まったことではない。カリフォルニア州では1990年に「未成年の読む話にワインは教育上よくない」として『赤ずきん』が2区の学校図書館から消えた。スペインでは『赤ずきん』『シンデレラ』『いばら姫』などが「男女のステレオタイプの助長」として学校図書館から消えているという。
別に人種差別に抗議するとか、目に見えないレイシズムを破壊するとか、そういうのに賛成でも反対でもない。しかし少なくとも目に見えてる文化は棒で殴られている。
主観的には現代における最大の表現規制及び文化破壊は、間違いなくポリティカルコレクトネスに他ならない。
ほじくりかえしては消せと言い、言葉を紡いだ人にいちゃもんをつけている。やりたいことをやれば殴られる。そんな時代だ。
人類が通信手段を発達させ、誰もが発信できるここ何十年が目立っているだけで、多分さかのぼればいくらでもそんな例が出てくるだろう。人類が人類でいる限り、きっと表現は死に続けるのだ。
今回の哀れな禁止措置を受けた、罪なき不幸なカード達に哀悼を。R.I.P.
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