What is a Blue Moon? 【1】 概要編
2017年3月8日 Blue Moon本記事はブルームーン使いのキチガイによるブルームーンの記事です お暇な方はどうぞ。
全体を通してコメントいただけたら質問でも意見でも感想でもラブコールでも殺害予告でもお返しします。
概要編--------ここ
構築編--------http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703092347253113/
相性編--------http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703100204345834/
サイド編------http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703101911028363/
プレイング編-http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703110109009644/
初めに僕がよく見た光景を一つ。
----------------------------------------------------------------------------------
ブルームーンと初めてやる人が、ブルームーンとわかった相手とゲームをするときは、始まる前に大概こう言う。
「ブルームーンだあ・・・いやマジ《血染めの月/Blood Moon》キッツイよぉ・・・」
んで実際ゲームが始まると、その人はトロンデッキ。なるほど。
----------------------------------------------------------------------------------
このゲームは明確にブルームーンが不利なのに、この人は良くも知らないデッキに対してキツいといっているということがこの文章からお分かりいただけるでしょう。
理解いただけないと思って書いています。ですがこの文章は真実です。
ブルームーンというデッキは概要以外あまり知られていません。
インターネットにあるガイドも大半が間違っているという有様です。
この記事は
・上の文章に納得がいかない人
・ブルームーンについて詳しく知りたい人
・ブルームーンに興味がある変態人
これらの人全てに捧げます。
因みに異常に長い上にリストも多いので、飛ばし読み推奨です。
リストまで舐めるように見た人は僕と一緒にイゼットゾンビしましょう
1.ブルームーンとは
「ブルームーンってアーキタイプは知っている でもよくは知らない」
大体の人がそうだと思います。そもそもブルームーンなんて握る変態にエンカすることが難しい
なので、簡単にブルームーンというデッキについて使う側の視点から説明します。
まず、ブルームーンについて話すには、歴史から軽く話す必要があります。
知ってるわこの海洋性哺乳類って人はリスト以外を読んでください。
まず、このアーキタイプが登場したのはPT神々の軍勢で現れました。
Team Mint cardが作成し、Lee Shi TianをTOP8に導きました。
Main deck
Land 22
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3:《蒸気孔/Steam Vents》
1:《山/Mountain》
10:《島/Island》
Creatures 5
2:《波使い/Master of Waves》
3:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
Spell 21
4:《血清の幻視/Serum Visions》
2:《謎めいた命令/Cryptic Command》
3:《差し戻し/Remand》
2:《マナ漏出/Mana Leak》
2:《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
4:《呪文嵌め/Spell Snare》
Artifact 4
2:《殴打頭蓋/Batterskull》
2:《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
Enchantment 8
2:《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
4:《血染めの月/Blood Moon》
2:《広がりゆく海/Spreading Seas》
Sideboard
2:《広がりゆく海/Spreading Seas》
1:《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
1:《否認/Negate》
2:《汚損破/Vandalblast》
3:《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
1:《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3:《神々の憤怒/Anger of the Gods》
1:《対抗変転/Counterflux》
1:《焼却/Combust》
当時の調整録記事がこちら
月が青く染まるまで
前 http://mtg-jp.com/reading/special/0008639/
後 http://mtg-jp.com/reading/special/0008640/
これがブルームーンというアーキタイプとして知られたデッキ、その初期形態です。
そして、今でもこのデッキはこれらの情報やリストからこういうイメージが強いんだろうなと感じていることがあります。
それは「ブルームーンは血染めの月で土地をロックし、そこからコントロールするデッキ」であり、「血染めの月のロックはデッキのアクションの前提」と捉えられているということです。
冒頭の文章はそれを端的に書いたものです(因みに創作ではない)。このトロン使いの人はブルームーンと聞いただけで、血染めの月が脳内を先行し、ロックされてハメられるんだろうなーって考えたのでキツいと言っています。
しかし、現代のブルームーンでは、その動きを徹底して求めるリストは少なくなりました(※あるにはあります。が、少数派です)。
Sample deck
Land 23
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
7:《島/Island》
2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3:《山/Mountain》
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3:《蒸気孔/Steam Vents》
2:《硫黄の滝/Sulfur Falls》
Creatures 9
2:《ゴブリンの闇住まい/Goblin Dark-Dwellers》
2:《ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar》
4:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
1:《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
Spell 23
2:《謎めいた命令/Cryptic Command》
1:《電解/Electrolyze》
2:《収穫の火/Harvest Pyre》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
3:《呪文嵌め/Spell Snare》
3:《祖先の幻視/Ancestral Vision》
2:《神々の憤怒/Anger of the Gods》
1:《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1:《焙り焼き/Roast》
4:《血清の幻視/Serum Visions》
Enchamtnent 3
3:《血染めの月/Blood Moon》
Planeswalker 2
2:《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
これは適当に拾った僕が一般的だと思っているリストです(Goldfishでよく見たという根拠しかない)。大事な部分だけ大きくしておきました。
デッキ名にもなっている、デッキの軸であるはずの血染めの月が3枚になっています。これは最近では極々普通になりました。ブルームーン界(ない)ではもはや常識となっています。
初期のように血染めの月と広がりゆく海を同時にメインに入れる場合も、血染めの月が3枚、広がりゆく海が2枚というリストが多く、メインカードであるはずの血染めの月が減っているのがわかります。
コイツ嘘つきだ俺を騙そうとしているんだという人は是非ご自身でお調べになってください。血染めの月が4枚広がりゆく海が3枚なんてリストもありますが、こんなのは本当に異端レベルで少ないことがわかると思います。血染めの月が4枚入っているものすら全体から見れば少なく、2枚というリストすらあります。
4から削る理由はダブってしまえば紙屑という根も葉もない理由からですが、本来デッキのキーカードは絶対欲しいカードであり、4から削るということは通常ではまずありえない選択です。採用上限である4から削るのが常識になりつつあるキーカードというのは何かおかしいと思いませんか?
続いてこちらのリストを見てください。
Sample Deck
Land 24
1:《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
1:《僻地の灯台/Desolate Lighthouse》
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
8:《島/Island》
2:《山/Mountain》
2:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2:《蒸気孔/Steam Vents》
2:《硫黄の滝/Sulfur Falls》
Creatures 8
4:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3:《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
1:《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
Spell 23
4:《謎めいた命令/Cryptic Command》
3:《電解/Electrolyze》
1:《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
4:《マナ漏出/Mana Leak》
3:《呪文嵌め/Spell Snare》
4:《血清の幻視/Serum Visions》
Artifact 2
2:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
Enchantment 3
3:《血染めの月/Blood Moon》
はい こちらは最近機械巨人がフィニッシャーということで話題になったリストです。
よし、月が3枚だな!とか天才の片鱗渋いなとかいうこと以外に注目すべき点があります。
それは、アカデミーの廃墟 僻地の灯台の採用です。
ブルームーンは、当然血染めの月デッキを名乗っているわけですから、メインデッキに血染めの月が入っています。
じゃあなんで入っているか。相手の特殊地形を縛って、拘束するためです。これ以上もこれ以下もありません。というより月使うデッキなんて全部これです。
そして、血染めの月の効果は当然、平等に降りかかります。自分の土地も島以外は基本的に全部赤いマナを出すだけの土地になってしまう。
つまり、血染めの月でロックをかけることが前提なら、特殊地形を採用することはそもそも選択肢としておかしいということとなります。
メインカラー青だし!月で赤マナ困らないんだから青マナ欲しいもん!!島でいいじゃん!!!いらねーよこんな土地!!
しかし、このリストでは特殊地形を採用しています。もし上記の前提があるなら青赤の遅めのデッキなら灯台、アーティファクトフィニッシャーいるし廃墟採用は当然!!なんて荒唐無稽な意見は絶対通りませんし、選択しないでしょう。島入れればいいよね。
つまり、このリストを考えた人は血染めの月のロックを前提にせず、構築したということが読み取れるわけです。
デッキ名にもなるほど根幹であるカードを削る、タブーであるはずの特殊土地を入れるというこの2つの理由から、(先に述べた月4海3みたいなロックガチガチ型でもない限り)ブルームーンというデッキは、「青赤コントロールに血染めの月によるソフトロックというサブプランを内蔵したデッキである」という結論が導き出せるでしょう。
これがブルームーンというアーキタイプです。
2.構築の特徴
まず、このデッキは先に述べたように青赤2色のコントロールを基本に、血染めの月のロックを内蔵したデッキです。
そもそもなんで血染めの月ロック採用か。そんな理由なんて簡単でそりゃもう強いもんこのカードってことですよ。
青赤コントロール的には、今は亡き欠片の双子のサイドボードから脈々と受け継がれてきた必殺カードですが、このカードは相手の行動を制限する、ミシュラランドなどの特殊地形対策になる、土地コンボへの耐性を得るなど、計り知れない恩恵をもたらします。
もし食らったことない人は他人のデッキを借りて一回食らってみるといいと思います。控えめに言ってやりたいことができません。
そして、どういう経緯でこのデッキが出てきたか。そりゃもうこの血染めの月という超パワーカードを使いたいからです。血染めの月のためのデッキと言っても過言ではありません。
さっきと言ってることちげえじゃねえか!!と思われるかもしれません。しかしこれもこれで事実です。
第一、根も葉もない話ですが青系コントロールでパワーカードを使いたいならトリコロールコントロールやグリクシスコントロールを使えばいいわけです。なにも青赤2色のみに拘る必要なんて0なんです(事実ブルームーンのTierはとんでもなく低いです)。
それでもブルームーンというデッキがある。これについて僕のように特定宗教に身を置いていない限り血染めの月という超パワーカードを使いたいが故だから以外の理由を探すことは難しいでしょう。だって単に青コン使いたいなら他にいくらでも選択肢あるのにわざわざ弱い方使うことないでしょ!
しかし、月ロックメイン以前の構築から、事故率や効かない相手などを考慮し、青赤コントロールを基本とした構築に移行。ロックはサブプランに追いやられているというのが現状なのです。
月メインのデッキでありながら月メインではないというへんてこりんな状態になっています。
続いて、青赤2色の理由です。先述の通り、基本的にサブプランとはいえど、血染めの月を使うために血染めの月を入れた構築をしているので、それを前提にお話をします。
まず、血染めの月というカードの特徴上、3色以上は基本的に自殺行為なので2色以下に抑える必要があります。この時点で2色までの組み合わせと単色の5つの組み合わせがラインナップにあがります。
そして、血染めの月主体のデッキには白赤のSun and Moonがロック特化パーツとして。赤緑のポンザでは土地破壊カードの一環として。黒赤のブラックムーンと青赤のブルームーン、赤単のSkredがコントロールと複合しての採用を図っています。月デッキの分類としてはこれらに大きく分けられるでしょう。好きなのを使えばいいと思います。
その中のブルームーンは、元はといえば青赤コントロールであり、一種のパーミッションとなっています。相手のカードをパーミッション戦略で弾き、血染めの月を貼る。もしくは、血染めの月下での相手の数少ない行動をパーミッション戦略で弾き、行動を否定する。マナ否定戦略とカウンターが綺麗に噛み合っているのです。そして、他の色にはない稲妻瞬唱パッケージという古典的な畜生セットで、アドバンテージを稼ぎやすいのです。
そして、血染めの月を見たら基本土地を持ってきたくなるのが人情です。しかし、基本土地を特殊地形の代わりにフェッチから持ってくる、それすなわち結局マナ基盤に緩く負担がかかっているのでは?動きたいから、やりたいことがあるからデッキの土地がカラフルなんでしょ?
どうあれ、相手はこのカードのせいでマナ基盤を細めることからは逃れられないのです。この部分は見落とされがちですが、ブルームーンでは大きなメリットになります。なぜかというと、相手の行動が自ら少なくなる可能性があるということは、向こうからしたら釣りがやりにくい≒マスカンの見極めが楽になるということや、カウンターの打ちやすさが変わります。特に差し戻しは終盤まで強く打てるなんてことがザラにあります。
相手の行動を阻害するという面では他の色には負けず、その中で手軽にアドバンテージを稼げるパーツがある。また、月ケア後も強く出れる。これがブルームーンが他のデッキと違うところです。
最後にブルームーン使用側から見たメリットとデメリットです。
これ以降、すべて血染めの月はサブプランという考え方で記述していきます
まず、メリットから。
・わからん殺しができる
・なんだかんだ月ハメGGがある
・青赤コントロールの動きだけでもなんだかんだ回る
・青赤のやりたいことが沢山できてイゼット団としての喜びを得られる
主にこのようなメリットがあります。最後の理由が全体の90%を占めていますね。
デッキの動きがわからないアドバンテージや、血染めの月によるお手軽ロックなど、月を使うデッキならではのメリットがもちろんあります。
わからん殺しのアドバンテージが消え去っても、先述の通り相手は自分で土地基盤を弱くし、マナ状態を痛めます。別にそれはそれでいいのです。ブルームーンにとっては、相手の行動回数が制限される、行動が貧弱になるという結果さえ得られればそれでよいのです。
また、血染めの月に依存しないことにより、青赤コントロールの動きでもゲームを普通にとれます。勝ち筋が複数ある時、それを選ぶのは常にこちらです。選択肢が増えて自分の行動が増えるというのはもちろんいいことです。
メリットを語った以上このデッキのデメリットも語ります。
・2色のくせに色事故が起きる(赤が不足しやすい)
・除去が貧弱
・マナフラッドを受けられず、細い
これ以上ないくらいこのデッキが勝てない理由がわかりますね!(自虐
一番上からお話します。このデッキ、回す時にフェッチランドからは優先して島を持ってきます。当然ですね。自分も月でハマるとか意味わかりませんから。そうでなくても、島を引きまくるんです。するとどうなるか。
答えは赤マナが不足しがちになります。青マナが足りないということはメインカラーだけあり、(無色の特殊土地を採用しなければ)そんなに多くないんです。とにかく赤が足りないんです。
どういうことだよと思われるかもしれませんが、ブルームーンのリストの土地を見ればわかります。赤マナを出せる土地がフェッチランドを含めて14-16枚程度が一般的なのです。
顕著なのはサイドボード後です。神々の憤怒を全体除去枠として取ることが多いこのデッキで、3ターン目に赤のダブルシンボルは見た目より厳しいです。なんせデッキに赤マナ源がそんな多くないので、意識しないと出ません。
そのため、赤マナのダブルシンボルが出せず死亡ということが結構あります。土地破壊で2色地形割られてずっと赤が出ないとかザラです。注意しましょう。
次に除去が貧弱です。このデッキ、青と赤しかないということは、すなわち確定除去なんて望んでも絶対にとれないということに他なりません。4枚の稲妻では当然足りないので、赤除去を積むのですが、あぶり焼き、炎の斬りつけ、収穫の火、電解と不確定品のみなのです。確定除去としてアーティファクトの仕組まれた爆薬もありますが、2色の都合上当然起爆は2まで。3マナは落としたくても落ちません。
色をタッチすれば流刑への道、終止、致命的な一押しなどより取り見取りですが、そんなことするとお前血染めの月デッキなのに事故率あげてどうするんだとデッキの目的がアッサリ死にます。そのため、このデッキは基本的にサイズの大きいクリーチャーが苦手です。あとピン除去ばっかなので横並びも苦手です。
最後のは説明不要ですね。青赤2色特有の細さがモロに出ます。タイミングの合わないカウンター 相手にあわない除去 無用な土地。プレイングで頑張れ。
総合的には少しやせたデッキという感じですね。青赤2色に絞る以上宿命ですが。
ここまでがブルームーンの特徴になります。
全体を通してコメントいただけたら質問でも意見でも感想でもラブコールでも
概要編--------ここ
構築編--------http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703092347253113/
相性編--------http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703100204345834/
サイド編------http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703101911028363/
プレイング編-http://saginukoduel137.diarynote.jp/201703110109009644/
初めに僕がよく見た光景を一つ。
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ブルームーンと初めてやる人が、ブルームーンとわかった相手とゲームをするときは、始まる前に大概こう言う。
「ブルームーンだあ・・・いやマジ《血染めの月/Blood Moon》キッツイよぉ・・・」
んで実際ゲームが始まると、その人はトロンデッキ。なるほど。
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このゲームは明確にブルームーンが不利なのに、この人は良くも知らないデッキに対してキツいといっているということがこの文章からお分かりいただけるでしょう。
理解いただけないと思って書いています。ですがこの文章は真実です。
ブルームーンというデッキは概要以外あまり知られていません。
インターネットにあるガイドも大半が間違っているという有様です。
この記事は
・上の文章に納得がいかない人
・ブルームーンについて詳しく知りたい人
・ブルームーンに興味がある
これらの人全てに捧げます。
因みに異常に長い上にリストも多いので、飛ばし読み推奨です。
1.ブルームーンとは
「ブルームーンってアーキタイプは知っている でもよくは知らない」
大体の人がそうだと思います。
なので、簡単にブルームーンというデッキについて使う側の視点から説明します。
まず、ブルームーンについて話すには、歴史から軽く話す必要があります。
知ってるわこの海洋性哺乳類って人はリスト以外を読んでください。
まず、このアーキタイプが登場したのはPT神々の軍勢で現れました。
Team Mint cardが作成し、Lee Shi TianをTOP8に導きました。
Main deck
Land 22
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3:《蒸気孔/Steam Vents》
1:《山/Mountain》
10:《島/Island》
Creatures 5
2:《波使い/Master of Waves》
3:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
Spell 21
4:《血清の幻視/Serum Visions》
2:《謎めいた命令/Cryptic Command》
3:《差し戻し/Remand》
2:《マナ漏出/Mana Leak》
2:《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
4:《呪文嵌め/Spell Snare》
Artifact 4
2:《殴打頭蓋/Batterskull》
2:《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
Enchantment 8
2:《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
4:《血染めの月/Blood Moon》
2:《広がりゆく海/Spreading Seas》
Sideboard
2:《広がりゆく海/Spreading Seas》
1:《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
1:《否認/Negate》
2:《汚損破/Vandalblast》
3:《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
1:《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3:《神々の憤怒/Anger of the Gods》
1:《対抗変転/Counterflux》
1:《焼却/Combust》
当時の調整録記事がこちら
月が青く染まるまで
前 http://mtg-jp.com/reading/special/0008639/
後 http://mtg-jp.com/reading/special/0008640/
これがブルームーンというアーキタイプとして知られたデッキ、その初期形態です。
そして、今でもこのデッキはこれらの情報やリストからこういうイメージが強いんだろうなと感じていることがあります。
それは「ブルームーンは血染めの月で土地をロックし、そこからコントロールするデッキ」であり、「血染めの月のロックはデッキのアクションの前提」と捉えられているということです。
冒頭の文章はそれを端的に書いたものです(因みに創作ではない)。このトロン使いの人はブルームーンと聞いただけで、血染めの月が脳内を先行し、ロックされてハメられるんだろうなーって考えたのでキツいと言っています。
しかし、現代のブルームーンでは、その動きを徹底して求めるリストは少なくなりました(※あるにはあります。が、少数派です)。
Sample deck
Land 23
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
7:《島/Island》
2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3:《山/Mountain》
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3:《蒸気孔/Steam Vents》
2:《硫黄の滝/Sulfur Falls》
Creatures 9
2:《ゴブリンの闇住まい/Goblin Dark-Dwellers》
2:《ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar》
4:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
1:《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
Spell 23
2:《謎めいた命令/Cryptic Command》
1:《電解/Electrolyze》
2:《収穫の火/Harvest Pyre》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
3:《呪文嵌め/Spell Snare》
3:《祖先の幻視/Ancestral Vision》
2:《神々の憤怒/Anger of the Gods》
1:《炎の斬りつけ/Flame Slash》
1:《焙り焼き/Roast》
4:《血清の幻視/Serum Visions》
Enchamtnent 3
3:《血染めの月/Blood Moon》
Planeswalker 2
2:《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
これは適当に拾った僕が一般的だと思っているリストです(
デッキ名にもなっている、デッキの軸であるはずの血染めの月が3枚になっています。これは最近では極々普通になりました。ブルームーン界
初期のように血染めの月と広がりゆく海を同時にメインに入れる場合も、血染めの月が3枚、広がりゆく海が2枚というリストが多く、メインカードであるはずの血染めの月が減っているのがわかります。
コイツ嘘つきだ俺を騙そうとしているんだという人は是非ご自身でお調べになってください。血染めの月が4枚広がりゆく海が3枚なんてリストもありますが、こんなのは本当に異端レベルで少ないことがわかると思います。血染めの月が4枚入っているものすら全体から見れば少なく、2枚というリストすらあります。
4から削る理由はダブってしまえば紙屑という根も葉もない理由からですが、本来デッキのキーカードは絶対欲しいカードであり、4から削るということは通常ではまずありえない選択です。採用上限である4から削るのが常識になりつつあるキーカードというのは何かおかしいと思いませんか?
続いてこちらのリストを見てください。
Sample Deck
Land 24
1:《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
1:《僻地の灯台/Desolate Lighthouse》
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
8:《島/Island》
2:《山/Mountain》
2:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2:《蒸気孔/Steam Vents》
2:《硫黄の滝/Sulfur Falls》
Creatures 8
4:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3:《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
1:《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
Spell 23
4:《謎めいた命令/Cryptic Command》
3:《電解/Electrolyze》
1:《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
4:《マナ漏出/Mana Leak》
3:《呪文嵌め/Spell Snare》
4:《血清の幻視/Serum Visions》
Artifact 2
2:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
Enchantment 3
3:《血染めの月/Blood Moon》
はい こちらは最近機械巨人がフィニッシャーということで話題になったリストです。
よし、月が3枚だな!とか天才の片鱗渋いなとかいうこと以外に注目すべき点があります。
それは、アカデミーの廃墟 僻地の灯台の採用です。
ブルームーンは、当然血染めの月デッキを名乗っているわけですから、メインデッキに血染めの月が入っています。
じゃあなんで入っているか。相手の特殊地形を縛って、拘束するためです。これ以上もこれ以下もありません。
そして、血染めの月の効果は当然、平等に降りかかります。自分の土地も島以外は基本的に全部赤いマナを出すだけの土地になってしまう。
つまり、血染めの月でロックをかけることが前提なら、特殊地形を採用することはそもそも選択肢としておかしいということとなります。
メインカラー青だし!月で赤マナ困らないんだから青マナ欲しいもん!!島でいいじゃん!!!いらねーよこんな土地!!
しかし、このリストでは特殊地形を採用しています。もし上記の前提があるなら青赤の遅めのデッキなら灯台、アーティファクトフィニッシャーいるし廃墟採用は当然!!なんて荒唐無稽な意見は絶対通りませんし、選択しないでしょう。
つまり、このリストを考えた人は血染めの月のロックを前提にせず、構築したということが読み取れるわけです。
デッキ名にもなるほど根幹であるカードを削る、タブーであるはずの特殊土地を入れるというこの2つの理由から、(先に述べた月4海3みたいなロックガチガチ型でもない限り)ブルームーンというデッキは、「青赤コントロールに血染めの月によるソフトロックというサブプランを内蔵したデッキである」という結論が導き出せるでしょう。
これがブルームーンというアーキタイプです。
2.構築の特徴
まず、このデッキは先に述べたように青赤2色のコントロールを基本に、血染めの月のロックを内蔵したデッキです。
そもそもなんで血染めの月ロック採用か。そんな理由なんて簡単でそりゃもう強いもんこのカードってことですよ。
青赤コントロール的には、今は亡き欠片の双子のサイドボードから脈々と受け継がれてきた必殺カードですが、このカードは相手の行動を制限する、ミシュラランドなどの特殊地形対策になる、土地コンボへの耐性を得るなど、計り知れない恩恵をもたらします。
もし食らったことない人は他人のデッキを借りて一回食らってみるといいと思います。控えめに言ってやりたいことができません。
そして、どういう経緯でこのデッキが出てきたか。そりゃもうこの血染めの月という超パワーカードを使いたいからです。血染めの月のためのデッキと言っても過言ではありません。
さっきと言ってることちげえじゃねえか!!と思われるかもしれません。しかしこれもこれで事実です。
第一、根も葉もない話ですが青系コントロールでパワーカードを使いたいならトリコロールコントロールやグリクシスコントロールを使えばいいわけです。なにも青赤2色のみに拘る必要なんて0なんです(事実ブルームーンのTierはとんでもなく低いです)。
それでもブルームーンというデッキがある。これについて
しかし、月ロックメイン以前の構築から、事故率や効かない相手などを考慮し、青赤コントロールを基本とした構築に移行。ロックはサブプランに追いやられているというのが現状なのです。
月メインのデッキでありながら月メインではないというへんてこりんな状態になっています。
続いて、青赤2色の理由です。先述の通り、基本的にサブプランとはいえど、血染めの月を使うために血染めの月を入れた構築をしているので、それを前提にお話をします。
まず、血染めの月というカードの特徴上、3色以上は基本的に自殺行為なので2色以下に抑える必要があります。この時点で2色までの組み合わせと単色の5つの組み合わせがラインナップにあがります。
そして、血染めの月主体のデッキには白赤のSun and Moonがロック特化パーツとして。赤緑のポンザでは土地破壊カードの一環として。黒赤のブラックムーンと青赤のブルームーン、赤単のSkredがコントロールと複合しての採用を図っています。月デッキの分類としてはこれらに大きく分けられるでしょう。好きなのを使えばいいと思います。
その中のブルームーンは、元はといえば青赤コントロールであり、一種のパーミッションとなっています。相手のカードをパーミッション戦略で弾き、血染めの月を貼る。もしくは、血染めの月下での相手の数少ない行動をパーミッション戦略で弾き、行動を否定する。マナ否定戦略とカウンターが綺麗に噛み合っているのです。そして、他の色にはない稲妻瞬唱パッケージという古典的な畜生セットで、アドバンテージを稼ぎやすいのです。
そして、血染めの月を見たら基本土地を持ってきたくなるのが人情です。しかし、基本土地を特殊地形の代わりにフェッチから持ってくる、それすなわち結局マナ基盤に緩く負担がかかっているのでは?動きたいから、やりたいことがあるからデッキの土地がカラフルなんでしょ?
どうあれ、相手はこのカードのせいでマナ基盤を細めることからは逃れられないのです。この部分は見落とされがちですが、ブルームーンでは大きなメリットになります。なぜかというと、相手の行動が自ら少なくなる可能性があるということは、向こうからしたら釣りがやりにくい≒マスカンの見極めが楽になるということや、カウンターの打ちやすさが変わります。特に差し戻しは終盤まで強く打てるなんてことがザラにあります。
相手の行動を阻害するという面では他の色には負けず、その中で手軽にアドバンテージを稼げるパーツがある。また、月ケア後も強く出れる。これがブルームーンが他のデッキと違うところです。
最後にブルームーン使用側から見たメリットとデメリットです。
これ以降、すべて血染めの月はサブプランという考え方で記述していきます
まず、メリットから。
・わからん殺しができる
・なんだかんだ月ハメGGがある
・青赤コントロールの動きだけでもなんだかんだ回る
主にこのようなメリットがあります。
デッキの動きがわからないアドバンテージや、血染めの月によるお手軽ロックなど、月を使うデッキならではのメリットがもちろんあります。
わからん殺しのアドバンテージが消え去っても、先述の通り相手は自分で土地基盤を弱くし、マナ状態を痛めます。別にそれはそれでいいのです。ブルームーンにとっては、相手の行動回数が制限される、行動が貧弱になるという結果さえ得られればそれでよいのです。
また、血染めの月に依存しないことにより、青赤コントロールの動きでもゲームを普通にとれます。勝ち筋が複数ある時、それを選ぶのは常にこちらです。選択肢が増えて自分の行動が増えるというのはもちろんいいことです。
メリットを語った以上このデッキのデメリットも語ります。
・2色のくせに色事故が起きる(赤が不足しやすい)
・除去が貧弱
・マナフラッドを受けられず、細い
これ以上ないくらいこのデッキが勝てない理由がわかりますね!
一番上からお話します。このデッキ、回す時にフェッチランドからは優先して島を持ってきます。当然ですね。
答えは赤マナが不足しがちになります。青マナが足りないということはメインカラーだけあり、(無色の特殊土地を採用しなければ)そんなに多くないんです。とにかく赤が足りないんです。
どういうことだよと思われるかもしれませんが、ブルームーンのリストの土地を見ればわかります。赤マナを出せる土地がフェッチランドを含めて14-16枚程度が一般的なのです。
顕著なのはサイドボード後です。神々の憤怒を全体除去枠として取ることが多いこのデッキで、3ターン目に赤のダブルシンボルは見た目より厳しいです。なんせデッキに赤マナ源がそんな多くないので、意識しないと出ません。
そのため、赤マナのダブルシンボルが出せず死亡ということが結構あります。土地破壊で2色地形割られてずっと赤が出ないとかザラです。注意しましょう。
次に除去が貧弱です。このデッキ、青と赤しかないということは、すなわち確定除去なんて望んでも絶対にとれないということに他なりません。4枚の稲妻では当然足りないので、赤除去を積むのですが、あぶり焼き、炎の斬りつけ、収穫の火、電解と不確定品のみなのです。確定除去としてアーティファクトの仕組まれた爆薬もありますが、2色の都合上当然起爆は2まで。3マナは落としたくても落ちません。
色をタッチすれば流刑への道、終止、致命的な一押しなどより取り見取りですが、そんなことするとお前血染めの月デッキなのに事故率あげてどうするんだとデッキの目的がアッサリ死にます。そのため、このデッキは基本的にサイズの大きいクリーチャーが苦手です。あとピン除去ばっかなので横並びも苦手です。
最後のは説明不要ですね。青赤2色特有の細さがモロに出ます。タイミングの合わないカウンター 相手にあわない除去 無用な土地。プレイングで頑張れ。
総合的には少しやせたデッキという感じですね。青赤2色に絞る以上宿命ですが。
ここまでがブルームーンの特徴になります。
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